自動車同士の衝突事故で後遺障害2級を負った事例

認容額	1億2253万4784円
年齢	54歳
性別	男性
職業	自営業
傷病名	外傷性右脳挫傷，右側頭部裂創，びまん性軸索損傷
後遺障害の等級	2級
症状・事故類型名	自動車事故、
判決日	平成24年9月5日
裁判所	東京地方裁判所

交通事故の概要

本件事故は、平成21年4月22日午前3時20分ころ、埼玉県春日部市の信号機による交通整理が行われていない交差点において発生した。被害者の車が、主要地方道春日部松伏線をβ方面からγ方面に向けて進行し、本件交差点に進入したところ、加害者の車が、被害者の車の進行方向左方の交差道路から同交差点に進入し、被害者の車の左側面に衝突した。

被害者の入通院治療の経過

本件事故により被害者は、153日間の入院と、実日数15日間の通院をして治療を行った。

後遺障害の内容

被害者は本件後遺障害のため、情動が不安定となり、同一の建物内でも元の場所に戻ることができなくなり、他者からの指示がなければ自発的に行動することができず、平時と異なる事象に直面すると顕著に混乱するようになった。医師は、1人での外出が困難であること、声かけ等による他人の援助が常時必要であることをたびたび指摘している。以上の状況からみれば、本件後遺障害の程度は、本件事前認定の結果にかかわらず、介護を必要とする重度のものであり、2級1号に相当するものである。

判決の概要

本件事故は、信号機により交通整理の行われていない見とおしの悪い交差点における直進の被害者の車と、その右方から一時停止せず、毎時50ｋｍの速度で停止線を通過して被害者の車に衝突した加害者の車との事故につき、加害者の過失の態様は、結果として交差点における交通規制をまったく遵守しない悪質なものであったというべきであるとし、双方の過失に照らせば、被害者に対して10％の限度で過失相殺するのが相当と認めた事例。

認容された損害額の内訳

治療関係費	271万5096円
入院付添費	42万9000円
入院雑費	22万6500円
通院付添費	2万9700円
将来介護費	3534万5742円
休業損害	224万3835円
逸失利益	6159万8869円
慰謝料	2440万円
填補金	-318万5083円
弁護士費用	1143万円
過失相殺	-1269万8875円