高次脳機能障害の統計は?

高次脳機能障害の可能性があるといっても、その症状は様々であり、ご本人やご家族の方が認識するのが困難であるケースが多く、特に最初は対処方法が分からず不安であると思います。

ここでは、高次脳機能障害の統計をご紹介することで理解を深めることができます。それにより適切な対応をし、より良い治療をしていきましょう。

高次脳機能障害の統計・割合(原因別)

高次脳機能障害を発症する原因で多いものや、その性別、年齢について傾向はありますか?

高次脳機能障害となる原因としては脳血管障害が最も多く、その次は、頭部外傷となります。

以下では、東京都の例を参考にしながら、高次脳機能障害の原因と、高次脳機能障害全体に占める原因別の割合等について概説いたします。

高次脳機能障害の原因

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高次脳機能障害の原因としては、9割以上が脳血管障害頭部外傷であるといわれています。

脳血管障害

脳の血管が破れる脳出血やくも膜下出血、脳の血管が詰まってしまう脳梗塞に大きく分類できます。

頭部外傷

頭部外傷による高次脳機能障害の中で最も多い受傷原因は、交通事故といわれております。その他には、高所からの落下、暴行によるものもあります。

全体としてみると、脳血管障害が原因となっているものが8を超え、頭部外傷によるものが1となります。

高次脳機能障害の発症年齢や傾向

高次脳機能障害を発症する人の平均年齢は、全体としてみますと、65歳以上といわれています。これは、高次脳機能障害の原因の大部分を占める脳血管障害が高齢の方に発生しやすいためといえます。

年齢別に発症原因をみても、30歳以上は、脳血管障害を原因とするものが多く、年齢が高くなるほど、その割合も増加しているという傾向があります。

これに対して、年齢別にみると、1020歳代の若者については、脳外傷が最も多く、その中でも脳外傷は、特に 男性が多くなっています。これは交通事故や高所作業中における転落に起因する頭部外傷が原因となるケースが多いからといえそうです。

原因 ・脳血管障害(全体の8以上)
・脳外傷(全体の1程度)
発症者の平均年齢 全体で65歳以上
最も多い発症原因 10~20代:頭部外傷
30代以上:脳血管障害

交通事故による高次脳機能障害の統計

交通事故による頭部損傷が原因の発症は何件くらいあるのですか?

交通事故が原因の高次脳機能障害の発症数を知る上では、保険料率算出機構の専門部会における審査件数が参考になります。以下、説明します。

自賠責保険は、ご存じの通り全ての自動車等の運転者に加入が義務付けられており、何かしらの人身事故があった場合、支払額決定のため事故調査等が行われます。この事故調査等を行うのが、損害保険料率算出機構です。

交通事故で頭部に衝撃を受け、高次脳機能障害が疑われる事案の件数は、この損害保険料率算出機構における処理件数が参考になります。

損害保険料率算出機構による調査

まず、請求者が自賠責保険会社に請求します。そうすると、保険会社の自賠責保険支払額決定のために、損害保険料率算出機構自賠責損害調査事務所に事故状況や被害者の被害の程度等が知らされ、それについて調査されることになります。この調査結果に基づき、保険会社は請求者に支払いをすることになります。

しかし、自賠責損害調査事務所にて処理が困難な、後遺障害の等級認定が難しい事案については、特定事案に含まれ、後遺障害の専門部会による審査を受けることになります。

高次脳機能障害や非器質性障害に関する事案は、後遺障害等級認定が専門的となるため、特定事案に含まれます。

自賠責損害調査事務所 一般的な事案での損害調査
自賠責保険審査会 特定事案
・自賠責保険からの支払いが受けられない事案や、重過失により減額の可能性がある事案(有無責等専門部会)
・後遺障害の等級認定が難しい事案(後遺障害の専門部会)

高次脳機能障害の審査件数

交通事故による高次脳機能障害とは、交通事故等で脳が損傷され、一定期間以上意識が障害された場合に起こりやすく、記憶・記銘力障害、集中力障害、遂行機能障害、判断力低下等の認知障害と、感情易変、不機嫌、攻撃性、暴言・暴力、用地、羞恥心の低下、多弁、自発性・活動性の低下、病的嫉妬、被害妄想等の人格変化を典型的な症状とするものです。

このような高次脳機能障害に関する事案で、自賠責保険審査会の高次脳機能障害の専門部会により処理された件数は、ここ数年は1年間5,000件程で推移しているようです。

非器質性精神障害の審査件数

非器質性精神障害とは、脳の損傷を伴わない精神障害のことをいいます。具体的な症状としては、抑うつ状態、不安、意欲低下、慢性化した幻覚・妄想、記憶又は知的能力の障害、その他の障害があります。

交通事故に起因する非器質性精神障害に関する事案で、専門部会により審査・処理されている件数は、年間1,100件程で推移しております。

事案 件数
高次脳機能障害 4,908件(平成26年度)
4,981件(平成25年度)
非器質性精神障害 1,117件(平成26年度)
1,108件(平成25年度)

交通事故による高次脳機能障害等の相談

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交通事故で頭部に衝撃を受けて脳が損傷している場合で高次脳機能障害の疑われるケースでも、その症状は、損傷した脳の部位やその程度により様々です。そして、ご本人様や家族の方に見逃されてしまうケースも多々あり発覚しにくい病気といえ、その対応には 実績のある専門家が必要となります。

そのため、特に交通事故で頭部を打ちその後一定時間意識の障害があったという場合には、出来る限り早く高次脳機能障害を診断した実績のある医師の診察を受けましょう。

その上で、保険会社等との治療費、慰謝料の交渉は、交通事故に強い弁護士に相談・依頼し、適切な金額の支払いを受けましょう。無料相談に対応している事務所もあります。

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