信号の無い交差点で自転車と車が衝突した事故の事例

認容額	8736万2015円
年齢	7歳
性別	男性
職業	小学生
傷病名	脳挫傷，頭蓋底骨折，右側頭骨骨折，外傷性くも膜下出血等
後遺障害の等級	4級
症状・事故類型名	くも膜下出血、自転車事故、
判決日	平成24年3月12日
裁判所	名古屋地方裁判所

交通事故の概要

本件事故は、平成17年7月18日午後4時55分ころ、名古屋市南区西又兵ヱ町1丁目25番地先路線上の交通整理の行われていない交差点において発生した。被害者の自転車が対面信号赤色点滅において本件交差点西側入口の横断歩道上を北方から南進していたところ、加害者の車が東西道路を西進し、対面信号黄色点滅において、同交差点東側入口から進入し、加害者の車右前部が被害者の自転車に衝突した。

被害者の入通院治療の経過

本件事故により被害者は、35日間の入院と、実日数29日間の通院をして治療を行った。

後遺障害の内容

本件事故による被害者の後遺障害は、難聴に伴い著しい耳鳴りが常時あり12級相当、神経系統の機能につき「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」として5級2号の各後遺障害に該当し、併合4級の事前認定を受けた。

判決の概要

本件事故は、加害者の対面信号の表示は黄色点滅で、他の交通に注意して進行することができるが、被害者の自転車を発見することが可能かつ容易で、交差点進入時には被害者の自転車が横断歩道に進入していたことが認められることから、その前方不注視の過失の程度は小さなものではなく、他方、被害者は対面信号の表示が赤色点滅で、一時停止せず横断を開始した点に過失が認められるが、事故当時7歳の児童であり、横断歩道を通行していたことを考慮すれば、注意義務の程度は成人に比べ限定的であるとし、過失割合を被害者2割対加害者8割とした。

認容された損害額の内訳

治療関係費	60万6308円
入院付添費	30万7500円
入院雑費	5万2500円
通院交通費	3810円
将来介護費	2526万2124円
逸失利益	5976万9771円
慰謝料	1837万円
調査費用等	4万2329円
既払金	-66万9458円
弁護士費用	450万円
過失相殺	-2088万2869円